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西隆寺跡の発掘調査 「土坑」を新たに発見 塔の可能性を補強か
2023.09.27 18:30
奈良市西大寺東町の西隆寺跡で行われた発掘調査で、建物の遺構の中央から「土坑」が新たに見つかったと、奈良市教育委員会が発表しました。
西隆寺は奈良時代後期に称徳天皇が創建したとされる尼寺で、鎌倉時代までに廃絶したとされています。
1971年に奈良文化財研究所が行った発掘調査では、調査区南側の地面に粘土や砂を入れて突き固める「掘込地業」という地盤改良を行った跡が見つかり、この位置に塔があった可能性が報告されています。
今回の奈良市教育委員会の調査で「掘込地業」の、より詳しい構造が明らかになり、建物の遺構の中央から隅が丸くなった正方形の「土坑」が見つかりました。
土坑は東西約1.9m、南北約1.7mの大きさで、穴の深さは30cmほどだといいます。
今回の発掘調査で、塔であると断定することはできなかったものの、土坑のなかにも地盤改良が行われた跡があることなどから、この建物が塔であったとする考えを補強するとしています。
奈良市埋蔵文化財調査センター 吉田朋史さんは
「あえて地盤改良をするというのは、どうしてもその部分に特別な建物を建てたかったという思いはあったと思います。後々可能性として(建物の)性格が分かってきたらいいなと感じています」と話しました。
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