加害者の別室登校など盛り込む 県の「いじめ防止基本方針」改定に向けて議論
2024.10.29 18:55
- 教育現場におけるいじめの防止対策について考える県の協議会が開かれ、学校などの対応をまとめた県の「基本方針」の改定に向けて意見が交わされました。
- 29日の会合では、2024年8月に開かれた協議会に続き、県の「いじめ防止基本方針」の改定案について話し合われました。
- 改定案には、いじめにより児童や生徒の心身などに重大な被害が生じた疑いがあるとする「いじめ重大事態」への対応策が盛り込まれていて、会合では2018年に通っていた県内の私立中学校でいじめを受けて不登校になり、その後転校を余儀なくされた現在18歳の元生徒が当事者として意見を述べました。
- いじめの被害を受けた元生徒(18歳)
- 「被害を受けた側なのに、1年半の学びと学校生活を送ることができず、とてもしんどくてつらかったです。あの1年半を今でも返してほしい気持ちが私にはあります。公立、私立関係なく、すべての子どもの命と未来を守り、それが厳守されるように反映させてほしいです。」
- 改定案にはいじめを受けた被害生徒の登校を保障するため、加害生徒と接点を絶つような対策を講じ、改善できない場合は加害生徒を別室登校させるよう検討することなどが盛り込まれました。これを受けて委員からは「別室登校を『検討する』という表現は弱い」「被害生徒の学習機会の保障を明記すべき」などの意見があがりました。
- このほか改定案には「いじめ重大事態」の認定の目安とされる「年間30日の欠席」について、欠席期間が30日に到達する前から情報共有を図ることなどが盛り込まれています。
- 県の「いじめ防止基本方針」は今後パブリックコメントの募集などを経て、2025年3月に改定される予定です。