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奈良のニュース
富雄丸山古墳 「第一級の資料」木棺の全容が明らかに
2025.01.27 18:41

 奈良市にある国内最大の円墳・富雄丸山古墳の発掘調査で、極めて良好な状態で見つかった木の棺の全容が明らかになりました。


 奈良市教育委員会では「第一級の資料」としています。

 4世紀後半に造られたとされる富雄丸山古墳では、墳丘の「造り出し」と呼ばれる部分からこれまでに出土例のない「だ龍文盾形銅鏡」と、古代東アジア最大の鉄剣「蛇行剣」が見つかり話題になりました。

 これらの出土品の下には木の棺=木棺が極めて良好な状態で見つかっていて、これまで棺内部の構造が明らかになっています。奈良市教育委員会は棺全体を詳しく調べるため、クレーンなどを使って土の中から取り上げる作業を行い、27日は調査によって明らかになった棺の全容が発表されました。全長は5メートル86センチで、被葬者や副葬品を収める身の部分とふたの部分の端に縄をかける「縄掛突起」があわせて8本確認されたことなどがわかりました。「縄掛突起」は突起に縄をかけて棺を運搬したり密閉性を高めたりするためのものとされていますが、この木棺の周辺からは縄が見つかっていないことや、棺の身側の突起が粘土に覆われていてふた側の突起と縄で結ぶことができないとして、「縄掛突起」の機能には再検討の余地があるとしています。また木棺は一般的に腐食によって消失することが多いとされていますが、この木棺は身の部分が全体の7割ほど残っているといいます。奈良市教育委員会では埋葬施設に雨水が流入しやすかったことや「だ龍文盾形銅鏡」の銅イオンなどが腐食を防いだ要因とみていて、古墳時代の埋葬施設の構造を研究する上で極めて重要な資料としています。

 奈良市教育委員会 文化財課 柴原聡一郎さん

「これから木棺研究の第一級の資料となっていくと考えています。木棺の具体的な構造が分かったことによって、木棺をどういうふうに作って使ったのか、どのような埋葬の儀礼をしたのか。古墳時代の埋葬儀礼全体をより具体的に論じることができるようになったと思います」