法隆寺金堂壁画保存活用委員会 収蔵庫改修など保存活用へ提言案示す
2023.03.20 18:27
- 1949年の火災で焼損した法隆寺の金堂壁画の保存活用を検討する委員会が、18日開かれ、収蔵庫の改修などを盛り込んだ案が示されました。
- 法隆寺の金堂壁画は7世紀後半から8世紀前半に描かれたとされる仏教絵画の傑作ですが、1949年の火災で焼損しました。現在は火災当時のまま収蔵庫に保存されていて、委員会では2015年の発足以降、壁画の保存と現地公開に向けた調査などを行ってきました。今回、示された提言案では「壁画などについて調査研究を継続するべき項目は残されているものの、保存状態はただちに修理が必要なレベルではない」として、竣工して70年以上が経過した収蔵庫の改修の必要性を指摘しました。改修項目には内部を空調管理できるようにして、壁画の環境変化を最小限にするほか、耐震強化や防火設備の更新なども挙げています。このほか、長期的な壁画の保存と活用のため管理マニュアルの整備、壁画の価値を評価するため調査研究を引き続き行うことが盛り込まれています。
- 法隆寺 古谷正覚住職
- 「今後進めていくうえで非常に分かりやすくなってきたのではないか、今までと違って一歩進んだ思いがしております。今後また(調査などを)進めて一般公開できればと思っています。」
- なお、委員会では今後、今回の意見を踏まえた提言を寺に提出する方針です。