秋季特別展「太安萬侶」
2023.10.26 18:22
- 古事記の編纂者・太安萬侶の没後1300年にちなみ、関連する出土品などを集めた特別展が、県立橿原考古学研究所附属博物館で開かれています。
- 奈良時代の初め、当時の天皇である元明天皇の勅命を受け現存する日本最古の歴史書「古事記」を編纂した太安萬侶。特別展では安萬侶の生前の暮らしを伺う出土品や、死後に葬られた火葬墓にまつわる遺物およそ350点をはじめ、安萬侶の墓に関する最新の研究成果などが紹介されています。昭和54年に奈良市内の茶畑から見つかった火葬墓に収められたこちらの墓誌。
- 銅でできた墓誌には安萬侶の居住地や位、亡くなった日が記されておりそれまで架空の存在だとも考えられていた安萬侶が実際に存在していたことが分かった世紀の大発見となりました。また、墓の副葬品が真珠のみで、その墓が亡くなった8世紀前半に徹底して行われた葬儀を簡素化する「薄葬」に従ったものであったことから、朝廷の決まりを守る忠実な官僚としての安萬侶の人柄も伺えるといいます。
- 他にも平城京内の居住地だったとされる場所からは貴族が使うことが多いとされる羊型の硯が見つかっており、太安萬侶との関連も注目されています。この特別展は11月26日まで開かれています。