西大寺旧境内 弥勒金堂の目の前に灯籠か
2024.12.13 18:46
- 奈良市にあるかつての西大寺の境内の発掘調査で北側の金堂の目の前に灯籠があったとみられることがわかりました。
- 西大寺は765年に、称徳天皇の発願によって造営されました。奈良文化財研究所は2006年から2つの金堂と、それらを回廊で繋げた金堂院の発掘調査を行っています。このうち北側にある弥勒金堂の南におよそ16メートルの場所から、灯籠の痕跡とみられる土坑と灯籠の台座の周りを囲う「磚」と呼ばれるレンガが見つかりました。灯籠の痕跡は金堂院の中軸線上にあり、西大寺で灯籠の痕跡が見つかったのは初めてだということです。奈良文化財研究所では、事例が少ない奈良時代の灯籠を考えていく上で、貴重な発見だとしています。
- 奈良文化財研究所 研究員 浦蓉子さん
- 「寺院の規模としても格としても、西大寺は東大寺に匹敵するようなお寺であったと考えられます。その西大寺の灯籠ということで、灯籠自体も東大寺に匹敵するようなものが建てられていたのではないかと想定しています」
- このほか西側にある回廊の跡から柱の跡が18基分確認され、これまでの調査と合わせると、金堂院の東西の規模がおよそ97メートルと確定したということです。