奈良市の新火葬場訴訟で和解案 奈良市議会が特別委を設置
2023.05.02 18:26
- 奈良市の新しい火葬場の用地取得をめぐる裁判で、奈良地裁が和解案を示したことを受け、市は臨時の市議会を招集しました。
- 市議会はきょう、特別委員会を設置し議論を進めることを決めました。奈良市の火葬場を巡っては、市が建設するための土地を鑑定評価額の3倍以上の価格で購入したとして住民訴訟が起こされ、仲川市長と元地権者に、合わせて約1億1600万円の支払いを求めることを奈良市に命じる判決が確定していました。市は市長らに損害賠償を求め、奈良地裁に提訴していましたが、奈良地裁は4月25日付けで、仲川市長と元地権者に対し、3000万円ずつ支払うよう求める和解案を出しました。これを受けて、きのう市長は臨時市議会を招集し、和解案について提案しました。
- きょうの本会議では、受け入れた場合請求額との差額は市が債権放棄することになることから、議員から「債権は1円でも多く回収すべきではないのか」といった質問が相次ぎました。これに対し仲川市長は、火葬場の建設により市と市民が経済的な利益を得ており、和解による解決が適切と理解を求めました。和解案はきょう設置された特別委員会で今後議論されることになっており、5月10日の本会議で結論を出す予定です。