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平城京造営で破壊か 大型の前方後円墳跡発見
2025.03.01 17:05
奈良市法華寺町で行われた発掘調査などで4世紀末のものとみられる大型の前方後円墳の跡が発見されました。
平城京跡の北側には4世紀から5世紀にかけて多くの古墳が造られ、佐紀古墳群と名付けられています。奈良市埋蔵文化財調査センターは、この古墳群の一角で平城宮に隣接した場所を2023年に発掘調査したところ、幅8メートル以上の大きな溝と鰭を貼り付けた埴輪の破片が見つかり、埴輪の特徴などから溝は4世紀末に築造された古墳の周濠とみられることが分かったといいます。
センターではこれまでの発掘調査のほか、航空レーザ測量のデータをあわせて解析しわずかな地形の変化などを検討しました。その結果、見つかった古墳の規模は南北約260メートル、東西約200メートルの盾形周濠をもつ全長約200メートルの大型前方後円墳で、王権に近い人物の墓とみられることが分かったということです。
平城京の造営では多くの古墳が壊されていて、200メートル級の大型前方後円墳を全て破壊した例は今回が初めてだといいます。
佐紀古墳群は築造時期によって大きく2つのグループがあり、4世紀に西側から古墳が造られ始め、5世紀に入って東側で古墳の築造が始まったと考えられてきました。しかし今回の発見で東西で同時期に古墳が造られていたことが分かりました。
奈良市教育委員会 埋蔵文化財調査センター 学芸員 村瀬陸さん
「この前方後円墳が見つかったことによって、佐紀古墳群の考え方が変わってくる。そういった地道な積み重ねが、謎の4世紀を解明する1つのピースになると思う」
今回の発掘調査の成果などは3月3日から奈良市埋蔵文化財調査センターで公開されます。
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