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「お渡り式」を記者が体験 春日若宮おん祭
2023.12.18 19:29
春日若宮おん祭で17日、奈良テレビ放送の記者が芸能集団のひとつ「田楽座」と一緒に「お渡り式」に参加しました。
五穀豊穣などを願い、平安時代から続く春日若宮おん祭。祭りに関わる人にとって毎年12月17日は、若宮の神に芸能を奉納する特別な日です。
このうち「お渡り式」はお旅所へと向かう芸能集団の華やかな行列が、祭りの見どころのひとつとなっています。
本田まりあ記者
「今日はおん祭りのお渡り式に特別に参加させてもらうことになりました!ではいってきます!・・・・・・というわけでこの花笠を持って行列に参加します。」
記者が持つのは重さ約5キロにもなる「田楽花笠」。一刀彫のルーツとも言われるかわいい木彫りの人形などで飾られています。田楽は農耕儀礼がルーツで平安時代に芸能として成立。興福寺と関係が深くかつてはおん祭の様々な行事に関わっていました。笛や太鼓、木の板を重ねた「編木」を華やかに打ち鳴らす芸能で、お渡り式を前にまず、奈良女子大学近くの初宮神社で奉納を行いました。
県庁前広場での試しの儀のあと、いよいよ出発です。大宮通りを西に、その後、三条通りから東に向かって、春日大社のお旅所を目指します。
お渡り式はここ数年、新型コロナウイルスや天候などの影響で規模が縮小されていて、本来の規模で行うのは5年ぶり。田楽座の皆さんの喜びもひとしおです。
田楽座 座長 小橋義治さん
「去年雨で大変だったので、今年良い天気でたくさんの観客の方がおいで下さって本当にありがたいと思っております。座員全員元気にお渡りできたと思います」
そして一之鳥居に到着。高下駄を履いた笛役に花笠を託し、松の下式での田楽奉納に臨みます。
本田まりあ記者
「今回田楽座の皆さんと一緒にお渡り式に参加させてもらい、実際に歩くからこそ感じることがたくさんありました。自分が運んできた花笠をお渡しできた時の感慨深さ、おん祭に関わる皆さんが、これまで888回に一度も絶やすことなく続けてきたすばらしさ、そしてその歴史の重みを感じました」
奈良の冬の風物詩として愛され続けている春日若宮おん祭。奈良の文化や芸能の歴史、そしてそれらを受け継いできた奈良の人々の熱い思いが息づいています。
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