奈良市埋蔵文化財調査センター 春季発掘調査速報展
2024.03.14 18:21
- 奈良市にある大安寺のかつての境内で新たに見つかった遺構などを紹介する速報展が、市の埋蔵文化財調査センターで開かれています。
- 半世紀以上にわたり行われてきた大安寺旧境内の発掘調査で、初めて寺院の中心である金堂の遺構が見つかりました。出土したのは今の境内の北側で、凝灰岩を規則的に積み上げており、金堂の基壇の北端とみられます。また、ここからは平安時代のものとされる巴紋の軒丸瓦が一緒に見つかったほか、炭や焼けた土の層も確認されています。
- 大安寺では、1017年に伽藍の多くが焼ける火事があったという記録が残り、その後に再建された基壇と考えられます。
- また、速報展では「きたまち」のエリアにある奈良町遺跡から出土した、古墳時代から近代までの遺物を展示しており、埴輪や鎌倉時代に輸入された高麗青磁などから、奈良が古代からずっと人が集まる都市であり続けたことがうかがえます。この催しは、3月31日まで開かれています。