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奈良のニュース
先祖の精神受け継ぐ 天川村で4年ぶり朝拝式
2025.02.18 19:09

 天川村では600年以上受け継がれてきたとされる伝統行事がコロナ禍での中止を経て、このほど、4年ぶりに復活しました。後醍醐天皇から始まる南朝4代の天皇を偲ぶ朝拝式です。


 14世紀に約60年続いた南北朝の争乱。山深い天川村は当時、南朝方の重要な拠点で、天川の郷士たちは天皇に献身的に奉仕したことから1350年、後村上天皇から「南朝旧臣位衆傳御」の称号を授けられたと伝えられています。


2月11日、村の山村振興センターに集まってきたのは、位衆傳御の子孫たち。この日は後醍醐天皇以降、南朝4代の天皇をしのぶ朝拝式です。コロナ禍を経て4年ぶりの開催で今回で649回目だといいます。祭壇には後醍醐天皇の像などが並び、南北朝時代から伝わるという古文書も使われます。傳御組の代表=傳相を務める堀口博さん(89)は、中止の期間、様々な迷いがあったといいます。


南朝旧臣位衆傳御組 傳相 堀口博さん

「先人たちはどう見てるかなと思って、だいぶ躊躇したんです、中止するのを。(今年)再開することができ、私らの祖先に対しても申し訳が立つだろうと」


式では子孫たちが昔ながらの裃を着用し、静かに祈りを捧げながら天皇に尽くした先祖の思いを再確認していきます。玉ぐしの奉納などの後、位衆傳御の由来を読み上げます。大役を託されたのは堀口さんの息子・元司さんです。

堀口元司さん

「私らの祖先は、南朝4代の天皇に奉仕して、忠誠を尽くした天の川郷士であって、その子孫がこれを継承して朝廷の遺徳を敬い、祖先の功績を称えた行事を今に続ける組中である。とこしえにこれを継承し、子孫に伝承されることを念願し、したためおくものである」


そして歴代天皇の命令書=「綸旨」の内容を読み上げます。

「後村上天皇綸旨」

文書は代々、位衆傳御の家に受け継がれてきたもので、村では次世代に伝えるため、これらを村指定文化財に、「南朝旧臣位衆傳御組」を村指定無形文化財としました。人口減少などにより、今後、朝拝式などの行事を維持できるか課題は山積していますが、参列した若い世代はー


2回目の参加 楠史覚さん

「思った以上に厳かな式典だったので、最初はびっくりしましたけど、続けていくことは大事かなとは思っています」


初めて参加 豕瀬統吾さん

「袴とか着ないといけないという格好とか、やっぱり格式高いなと」


初めて参加 堀井学さん

「歴史を感じるというよりも、すごく誇らしいと。式典を通じてそういうふうに感じられました」


南朝旧臣位衆傳御組 傳相 堀口博さん

「ほっとしております。4年目に再開できたことを大変嬉しく思っております」


堀口元司さん

「我々の祖先が果たしてきた功績に恥じないような生き方をせよと。歴史の重みがひしひしと非常に重たいもんだなということを痛感しております」


4年ぶりの朝拝式。受け継がれる地域の誇りを後世につなげることを確かめあいました。