26日(火)

北部
南部

27日(水)

北部
南部
  • ただいま放送中
  • 22:00
  • WBS「あなたと世界をつなぐ経済ニュース番組」として、より分かりやすく、より深く、明日からの仕事や生活に役立つ情報をお伝えします。
  • 次の番組
  • 22:58
  • TVNニュース
奈良のニュース
銃撃事件1年「命を救う難しさ」 発生直後の現場で救命活動 医師の思い
2023.07.06 17:36

 国内外に大きな衝撃を与えた安倍元総理銃撃事件から、7月8日で1年です。銃撃直後、救命活動にあたった医師が、カメラの前で今の思いを語りました。


 2022年7月8日、午前11時30分、近鉄大和西大寺駅前で参議院選挙の応援演説中だった安倍元総理が銃で撃たれ、死亡しました。現場は当時、ガードレールで囲まれていましたが、現在は市の整備事業で様変わりしていて、1年という時間の経過を感じさせます。

奈良市民はー

「ああもう1年だって思って、なんかさみしい。」

「もちろんびっくりしましたけどね。手を合わせに来ましたね。」

「県外の友達に大和西大寺って言うと、安倍さんのところやなみたいに言われるので、1年経ってほんまに起きたんやなって感じで思います」


 あの日、あの時。1人の医師が、現場にかけつけました。

中岡伸悟医師

「このあたりになるのかな、と思います。ガードレールのちょうど間で、(安倍元総理が)横たわっておられて、そのところに駆けつけたときに、顔面蒼白で、ピクリともされずに横たわっておられたことを、きのうのごとく思い出します。」


 事件現場の西隣にあるビルで内科クリニックを開く、中岡伸悟医師です。事件の発生直後、救急車が到着するまでの間、救命活動を行いました。


中岡伸悟医師

「その日は通常の診察をやっておりまして、まさにこの部屋で患者さんとお話して診察していたところ、廊下の方で大きな声で「安倍さんが撃たれた!先生行ってあげて!」というような声が聞こえたんです。」


 中岡医師は看護師とともに心臓マッサージを行いました。完全に心停止していたため、AEDを使う状況ではなかったといいます。中岡医師は、気道の確保のため気管挿管をすることも考えましたが、混乱した現場での、医師としての迷いがあったと振り返ります。


中岡伸悟医師

「普通はそういう処置(気管挿管)をするときっていうのは、気管とか肺に物が入るわけですから、清潔な状態で入らないといけない。あの雑踏の中でそういうことをしていいのかどうかっていうのは、やっぱりすごく悩んだんですね。次に何をすべきかということが、安倍元総理の命を救わなきゃいけないし、後々のことを考えてきちんとした処置もやらないといけないし、救急車早く来てくれと、そういういろんなことが錯綜してしまいました。」


 公開された奈良市消防局の無線記録によると、安倍元総理は銃撃から約13分後に救急車に収容されました。中岡医師はこの1年間、命を救うことの難しさを考え続けたといいます。

中岡伸悟医師

「僕自身もああいう銃撃事件に出会ったのは、当然、初めてなんですが、本当にあってはならないような事件である、ということを痛感しましたし、命を救うということに関して、いかに困難であるかということ、後で無念な気持ちになるということ。そういうのを強く教えられたといいますか、今後、どういうふうにして伝えていくべきかということを考えさせられる1年でした。」


 なお、事件から1年となるのを前に、警察庁の露木康浩長官は、6日の定例記者会見で「警察の警護中に犯行を許してしまったことは、改めて、痛恨の極みだ。」と述べました。