「修理司」と関係か 平城京から「修理」の文字書かれた瓦
2023.07.04 18:38
- 奈良市西大寺北町の発掘調査で「修理(しゅり)」などの文字が書かれた瓦が見つかり、元興寺文化財研究所が発表しました。
- 発掘調査は、平城京の右京で北西に張り出した「北辺坊(ほくへんぼう)」と呼ばれる区画があったとされる場所で行われ、東西方向の築地塀の跡とその北側の溝から、瓦が見つかりました。瓦の1つはヘラを使って「修理」の文字と、その下に判読できないものの、もう1文字書かれていたことが分かりました。瓦ではほかにも「西」の1文字を刻印したものや、西大寺の境内跡で出土した奈良時代の瓦と同じ特徴があるものも見つかりました。こうしたことから「修理」の文字は、奈良時代後半に平城京内の修理とともに、西大寺周辺の開発に関わったとみられる役所「修理司」との関係が考えられるということです。
- また、区画の端を示す築地塀が見つかったことで、これまで分かっていなかった「北辺坊」の規模などを知る重要な手がかりになりそうです。
- なお、発掘調査の成果は7月15日から、県立橿原考古学研究所附属博物館の速報展「大和を掘る」で展示されます。