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奈良のニュース
「誰にも相談できず…」SNS型ロマンス詐欺が急増 被害者が体験語る
2024.08.14 17:23

 SNSを使って接触し、うその投資話を持ちかけたり恋愛感情を抱かせたりして金銭をだまし取る「SNS型投資・ロマンス詐欺」。県内で被害にあった女性に体験を聞きました。13日に引き続き、その巧妙な詐欺の手口をお伝えします。


被害にあった女性

「好きな気持ちはあったので、助けてあげたいなっていうふうに思った。何で貸してしまったんやろって自分に疑問しかないですね。」


被害にあったのは県内に住む30代の女性です。女性はマッチングアプリで知り合った男に、現金や電子マネーあわせて1660万円余りをだまし取られるロマンス詐欺被害にあいました。


女性が男と知り合ったのは2022年12月、マッチングアプリを介してLINEでやりとりをするようになりました。最初はなにげないメッセージや電話でやり取りを重ねていましたが、ある日、男からこんなメッセージが届きました。

男からのメッセージ

「電車でお金とられた。親の借金とかもあって、それをボーナスで最後一括返済やってん」


男は年末のボーナスを電車内で盗まれたと話し、借金の返済や自身の生活への不安を打ち明けました。女性は助けたい思いで、何度か男の口座に現金を振り込みましたが、次第に要求はエスカレートしていきました。

男からのメッセージ

「お金貸してくれないなら、俺も死ぬほうがいいか。冗談でもなんでもないよ。」


被害にあった女性

「人が死ぬんやったら、貸してどうにか解決するならと思って貸した。途中から、連絡も無視していたんですけど、反対に連絡がいっぱい来るようになって。私の仕事場に連絡するぞとか、親にも連絡するぞとか。怖いと思って貸していました。ほとんど脅しでしたね。」


男から1日に20回以上電話がかかってくる日もあり、恐怖を感じた女性は親や消費者金融で金を借り、被害額は10カ月で1660万円余りにまで膨らみました。一方で誰にも相談できなかったと話す女性。涙に声を詰まらせながらこう述べました。

被害にあった女性

「誰かに話したら楽になると多分どこかでわかっていたんですけど、内容も内容ですし貸した金額もだいぶ膨らんでいったというのもあって、なんかどうしたらいいんやろって、ずっと思っていました。」


県警によりますと、県内での「SNS型投資・ロマンス詐欺」の2024年1月から7月末までの被害件数は174件で、2023年の同じ時期に比べて157件増加しています。被害額は約22億6800万円にのぼるといいます。


被害が増えているのはなぜか…。犯罪心理学に詳しい、奈良女子大学の岡本英生教授に聞きました。増加の背景には、SNSの普及とコロナ禍以降、顕著になった人間関係の希薄さがあるといいます。

奈良女子大学・岡本英生教授

「オンラインで人と人とのやり取りをするのが日常になって、人とのつながりを求めたいとか優しくされると、あるいは自分がしなくちゃいけないとか使命感を負わされると、ついついのめり込んでしまう。ドラマとか小説を読むような内容のことが目の前で起こって、そこに感情移入してしまう。」


また県警によりますと、恋愛感情を抱かせるロマンス詐欺の多くは、その後、うその投資話をもちかける投資詐欺へとつながるといいます。岡本教授はこうした背景に「老後や将来の生活に対しての漠然とした不安」があると指摘します。被害にあわないために気を付けることは…。

奈良女子大学・岡本英生教授

「客観的に考えることですかね。特に(SNSなど)非対面の場合には、やり取りの内容を一歩引いて見るみたいな。『ちょっとおかしいんと違うかな』と気がつくのかなと思います。」


幅広い世代に被害の広がりを見せる「SNS型投資・ロマンス詐欺」。県警では、少しでも怪しいと思ったら気軽に相談してほしいと呼びかけています。