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奈良のニュース
奈良のシカ保護管理計画検討委員会 鹿苑のあり方などを議論
2024.08.05 18:40

 国の天然記念物「奈良のシカ」の保護や管理について考える検討委員会が、鹿苑のあり方などを話し合う会議を開きました。


 会議には、県や有識者などのほか、奈良の鹿愛護会が出席しました。鹿の保護施設「鹿苑」をめぐっては、深刻な農業被害を出したシカが特別柵に死ぬまで収容されていることや、過密、栄養失調の問題が表面化しました。これを受けて、委員会では2024年度末をめどに特別柵のあり方や飼育環境の改善などについて一定の方向性を出すよう検討を進めています。


 5日の会議では、奈良の鹿愛護会が少ない職員の数で膨大な仕事量を抱えている実態が示されました。また、獣医師が、シカのフンに含まれるホルモン物質でストレスの度合いがわかるとして、特別柵の過密具合をはかる判断材料になると助言するなど、さまざまな報告や意見が出されました。検討部会では、こうした材料をまとめて話し合いを重ね、結論につなげる方針です。


 会議ではこのほか、奈良公園のシカが男に蹴られるなどした動画がインターネット上で拡散した問題も取り上げました。委員からは、「天然記念物を傷つけると罰則があることを示す必要がある。」「シカは野生動物で『ふれあい』という言葉は使うべきでない。」といった意見が出され、県では近く、観光客などに向けたメッセージの案をまとめる方針です。