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能登半島地震から1年2カ月 被災地への思いつなぐ映画上映会
2025.03.04 18:12
能登半島地震の発生から1年2カ月あまり。被災地への思いをつなぐ催しが、このほど天理市内で開かれました。
この催しは、地震とそのあとの豪雨災害で甚大な被害を受けた石川県珠洲市の現状と文化について多くの人に知ってもらい、復興支援につながればという思いから開かれたものです。スクリーンに映し出されたのは、珠洲市で撮影されたドキュメンタリー映画。2023年5月に発生した震度6強の地震のあと、地元に伝わる祭りを成功させることで、新型コロナや地震からまちを復興させたいという人々の姿を描いたものです。祭りは無事に行われましたが、2024年の元日には、能登半島地震が起きて津波にも襲われ、9月の豪雨災害で更なる被害を受けた珠洲市は、今も、復興が遅々として進まないといいます。
ステージでは、映画の監督である有馬尚史さんや、自らも被災しながらボランティア活動を行う女性、珠洲市に伝わるキリコ太鼓の演者らが、地震発生当時の様子を語りました。また、避難先から人が戻ってこない現状などを踏まえ、人々の心の拠り所である祭りの伝承にも危機感を示しました。
有馬尚史さん
「珠洲市から祭りを奪ったら珠洲市じゃないような感じがしました」
催しでは、このほか、珠洲市でボランティアの演奏活動を行ったという天理大学雅楽部のメンバーが友情出演しました。龍笛を吹く4年生の矢田美歩さんは、珠洲市に生まれて幼少期を過ごしており、帰省した際、能登半島地震に遭遇したといいます。
天理大学雅楽部4年・矢田美歩さん
「1回目にだいぶ揺れて、みんな(家の)外に出て、また揺れて、それでたぶん家が崩れた感じで、3日間は避難所で過ごしました。正直、遅い。復興が遅いなというのは感じています。この出来事を忘れない・考える・伝えていくというのがいちばん大事かなと思います。」
また、珠洲市から駆けつけたキリコ太鼓のメンバーが、迫力ある演奏を披露しました。被災地へ赴いて様子を知るのではなく、当事者の人に来てもらい、実情を語ってもらうことでより多くの人に認識を深め、思いを共有してもらおうという今回の取り組み。激しく体を揺さぶりながら打ち鳴らされる太鼓の音に、会場は一体となりました。
珠洲市在住・石塚愛子さん
「まだまだ手付かずの支援が必要な部分ですね。土砂の災害、豪雨災害(の被害)も入っていますので、そのあたりはまだまだマンパワーが必要な現状がどうしてもあります。太鼓もさまざまなご支援によって復興につながり、ピカピカの太鼓が叩けるのも、あたり前のことがあたり前でなくなった中でご支援でできるようになったという。(催しでは)皆さんに力強く御礼を込めて表現できたかなと思います。」
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