新発見につながるか? 富雄丸山古墳「造り出し」の発掘調査が再開
2023.12.04 19:26
- 奈良市にある国内最大の円墳・富雄丸山古墳の「造り出し」部分の発掘調査が4日から再開されました。この古墳からは昨年度、例を見ない銅鏡などが見つかっていて、今回の発掘調査で新たな発見につながるか注目されます。
- 4世紀後半に造られたとされる富雄丸山古墳は直径109mの国内最大の円墳です。奈良市教育委員会が2022年度に行った発掘調査では、墳丘の北東側にとりつく「造り出し」と呼ばれる部分からこれまでに出土例のない「だ龍文盾形銅鏡」と、2m37cmにも及ぶ国内最大・最古の「蛇行剣」が見つかり話題になりました。
- 本田まりあ 記者
- 「全国的にも注目が集まる富雄丸山古墳。きょうから発掘調査が再開されるのにあたり、現地が報道陣に公開されました。」
- 発掘調査を行うのは造り出し部分の50平方メートルで、現場には防犯対策や雨や風などから守るため「覆屋」が設けられています。調査では昨年度出土品が見つかった、棺を粘土で覆った埋葬施設「粘土槨」とさらにその内部の木の棺を調べるとしています。12月下旬頃までは埋め戻した土を取り除く作業を進め、その後、検討会議で方針を決め、春ごろまで内部の発掘調査を行うということです。
- 奈良市教育委員会 文化財課 鐘方正樹さん
- 「ようやく調査が再開できるということで楽しみにしています。蛇行剣あるいは、だ龍文盾型銅鏡というものが、どうして造り出しの粘土槨に副葬されていたのかが一つ大きな謎としてあります。造り出しの存在が一体どういう意味があるのかというところを解明するうえでも粘土槨の調査というのが鍵になってくると思います」