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奈良のニュース
上北山村の「関西の秘湯」 小処温泉 50年余りの歴史に幕
2023.11.28 18:33

 自然豊かな上北山村の奥地にあり「関西の秘湯」と呼ばれた温泉が26日、惜しまれつつ閉館しました。


 日本百名山の1つ大台ヶ原。冬の到来で12月1日にドライブウェイが通行止めになるのを前に、26日は大勢の人が2023年最後の山歩きを楽しみました。

長年大台ヶ原のハイカーの疲れを癒やしてきた温泉が、麓の小橡川上流にある小処温泉です。

木をふんだんに使った暖かな雰囲気が利用客を出迎え、露天風呂から眺める四季折々の渓谷の美しさはまさに絶景。美しい紅葉も閉館の日まで残ってくれました。

訪れた人は

「閉館になんの?もう営業しないの?うそやん、本当に?」

「もったいなーもったいないなー」と話しました。


小処温泉は1970年地元の自治会が開設し、その後は村が所有。2001年に今の建物にリニューアルされました。

その2002年には年間で約3万6000人が利用するなど「関西の秘湯」として人気を集めました。


しかし施設の老朽化が進み、ここ数年は新型コロナで利用客が半数以下に。さらに燃料費の高騰が追い打ちをかけ、採算が取れないことから村は閉館を決めました。

大阪から訪れた人は

「寒かったのですごく熱かった、でも気持ちよかったです。硫黄の臭いもしてよかったです。ちょっともったいないですね、また来ようと思ってたので残念です。」

「28日で最後なんやな。また再開してください」と話しました。


受付などを担当する小松清二さんは、父親の操さんが指定管理者の代表を務めていたことからおよそ20年、ここで働いてきました。

指定管理者が変わった後も従業員として残り、現在は母親と息子の3人で温泉と食堂の業務を任されています。

この2カ月、閉館に対する問い合わせが多かったといいます。

小松清二さんは

「結構楽しみに来ていただいていたみたいで「楽しみに来ていたのに何故閉館するのですか」と(聞かれたり)。長年やってきて終わってホッとしたというところもあるんですけど、これで終わりかという寂しい気持ちもありますね。すごく思い出深い場所ですね、いろんな人との出会いがあったし。」と話しました。 


利用客の中には三重県津市から毎月来るという人も。

約6年前からのファンは

「自分達夫婦2人の秘湯と言って毎回来ているんですけど。ここが一番、施設も良いしロケーションも良いし、誰か引き継いでほしいと思うんですけど」と話しました。


時代の変化の中で50年余りの歴史に幕を下ろした小処温泉。村では跡地の活用について住民や関係者と協議していくことにしています。