新型コロナ感染防止の業務委託で過払い 県が約6400万円支払い求め JTB提訴へ
2024.06.05 18:30
- 県は、新型コロナ対策関連の業務委託費で過払いがあったとし、業務を委託していた株式会社JTBに対し、およそ6400万円の損害賠償を求め提訴する方針を示しました。
- 県によりますと、2021年度から3年間新型コロナ感染患者の宿泊療養施設の管理運営や、感染防止対策を行う飲食店の認証業務など33件をJTB奈良支店に委託し、あわせておよそ176億円の契約を結んでいました。今回は、このうち19件の業務で精算時の実績報告書と実際の勤務状況に差異があり、およそ6400万円の過払いが発覚したということです。本来であれば、委託業務完了後に実際の業務状況について、差異による減額がないかどうか確認を取るべきだったにも関わらず、県の担当課がその精査をしていなかったといいます。県では2023年7月、監査の指導を受けJTB奈良支店に改めて詳しい勤務実態などの提出を求めたところ、精算時に提出された実績報告書と外部職員の勤務人数や時間に差異があり、過払いが発覚したということです。県が過払い分の返還を求めるも、JTB奈良支店は過大請求ではないとして返還に応じなかったということです。また正社員の勤務実態については、資料の提出がされておらず確認が取れていないということで、過払い額は最大で2億円を超える可能性があるということです。
- 山下知事
- 「きちんと正しい実績を報告せず過大な請求をJTBがしたということ、それをこちらが指摘したにもかかわらず、任意の返還に応じていただけなかったことについては、憤りを感じています」
- 県では、過大請求と判断した約6400万円の損害賠償を求めて奈良地裁に提訴する方針で、6月議会に「訴えの提起」の議案を提出するとしています。なお、JTB広報室は「契約内容からは想定もしなかった返金要請であったため、ご説明と協議のお願いをしておりました。一方的な訴訟提起のご発言に驚いておりますが、引き続き誠実に対応してまいります」とコメントしています。