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奈良のニュース
県立大が貴重な植物標本1万点を廃棄 奈良植物研究会 抗議と説明求める要望書提出
2024.07.22 18:31

 奈良県に寄贈されていた貴重な植物標本約1万点が廃棄されていたことがわかり、この標本を寄贈した奈良植物研究会が22日、県に抗議と経緯の説明を求める要望書を手渡しました。


 県に要望書を手渡したのは奈良植物研究会の松井淳会長らです。故・岩田重夫さんが収集した植物標本のコレクションの散逸を防ぐため、奈良植物研究会らがつくる団体は県と覚書を交わしたうえで2001年6月に寄贈しました。このコレクションは1950年から1987年にかけて採集されたもので、県内産の標本が、ここにしかないミヤマホツツジなど貴重な植物を含む約1万点の資料が集められたものです。


標本は新聞紙に挟んだうえで県立大学の一室でロッカーに入れて保管されていましたが、研究会がことし3月に大学を訪れた際、保管していた建物の取り壊し工事に伴いすべて廃棄されていたことがわかったといいます。研究会は県に対し抗議するとともに、廃棄に至った経緯の説明などを求めています。


元奈良植物研究会運営委員・森本範正さん

「奈良県の(植物)標本が非常に少ない時期のもので、非常に貴重な標本がなくなった。つまり証拠が無くなってしまったと。非常に残念なことだと思っております。」


これを受けて県と県立大学は会見を開きました。

奈良県立大学・尾久土正己学長

「(植物標本を)寄贈された方々や、今回の誤廃棄で心を痛められた関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。」


それによりますと廃棄されたのは2023年10月頃で、コレクションについて職員の間で適切な引継ぎが行われなかったことから、資料の重要性や価値が理解されないまま担当職員が上司に相談することもなく、自身の判断で産業廃棄物として廃棄したと説明しました。県と県立大学は今後研究会に謝罪し、直接経緯を説明するとしています。