奈良市史料保存館企画展示 「日新記聞」が伝える明治の奈良町
2023.11.10 18:43
- 奈良市史料保存館では、明治時代初めの奈良の様子を伝える当時の新聞と、関連資料を展示した催しが開かれています。
- 奈良で初めて発行された新聞とされる「日新記聞」。１８７２年＝明治５年から翌年にかけて発行された木版刷りの小冊子で、県の広報紙のような役割も担っていたといいます。
- 展示では、当時、政府の神仏分離令で、空き家のようになった興福寺の処置について県が国に伺いを立てた文章と、「一山すべて廃寺にする」とした国の指令を合わせて掲載した紙面や、興福寺の名が記されていない市街地の地図を並べ、かつての歴史を浮き彫りにしています。
- また、政府の散髪脱刀令を受けて髪結いだった人が開いた散髪店の広告のほか、正倉院の開封と調査を伝える紙面には、宝物を模写した図も掲載され、文明開化や文化財保護の始まりも伝えています。当時の関連資料もあわせて展示され、明治時代初めの奈良の様子が窺い知れるこの催しは、１２月１７日まで開かれています。
