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奈良のニュース
桜井茶臼山古墳 副葬品の鏡 量・質・種類すべて「傑出」
2023.09.07 18:35

国の史跡・桜井茶臼山古墳から出土した鏡の破片を詳しく調べたところ、日本で最も多い、103枚以上の鏡が副葬され、種類や品質でも他の古墳をはるかに上回っていることが分かりました。初期ヤマト政権が政治基盤を整備していく過程を知る、重要な成果になりそうです。


桜井茶臼山古墳は、3世紀末に築かれたと見られる全長204mの前方後円墳で、初期ヤマト政権の大王クラスの墓とみられています。これまでの発掘調査では、盗掘を受けているものの、土の中から大量の鏡の片などが出土していました。県立橿原考古学研究所などでは、385点にのぼる鏡の破片をすべて三次元計測し、元の形を特定する作業などを進めてきました。活用されたのは、研究所がこれまでに三次元計測した1000点近い鏡のデータで、その結果、副葬された鏡は、日本では最多の103枚以上にのぼることが分かりました。鏡の種類では、当時の中国産、国産、三角縁神獣鏡が全てそろっており、三角縁神獣鏡は、古い型式から新しい型式まで幅広く確認されました。また、出土例が少なく繊細なデザインが特徴の画文帯神獣鏡は19枚以上あり、5つある型式が網羅されていることも分かりました。そのほか、初期の国産の鏡も21枚あり、桜井茶臼山古墳の鏡は量・質・種類の全てで他の古墳より「傑出」しているということです。


大手前大学・森下 章司教授

「種類が多くありますし、大きなもの造りの優れたものが選ばれている。こういった古墳は他にはない。鏡を使った政治とか支配とかの中心的役割を果たした人物が考えられると思います。」


桜井茶臼山古墳のある奈良盆地東南部は初期ヤマト政権発祥の地とされ、箸墓古墳以降、全長200mを超える大型の前方後円墳が築かれました。今回の成果は当初、弱かった王権の基盤が強化される過程が伺えるといいます。


県立橿原考古学研究所・岡林 孝作学芸アドバイザー

「それまで輸入に頼っていたもの、製品やその素材、そういったものの国産化がすすめられるわけです。王権が中心になって産業基盤、自分たちの王権の基盤の整備というものを積極的にやっていたことが分かりますよね。」