県立医大 人工赤血球製剤の臨床試験 実施へ
2024.07.03 18:54
- 奈良県立医科大学が、長期間保存できる人工の赤血球の実用化に向けて、来年以降、臨床試験を行うことを明らかにしました。
- これは、県立医大附属病院の吉川公彦病院長らが記者会見して明らかにしたものです。県立医大では、へき地での医療をはじめ、大規模な自然災害やテロ、緊急手術など、輸血用の血液の確保が困難な局面に対応できる人工赤血球製剤の開発に取り組んできました。県立医大の酒井宏水教授らは、献血されて使われなかった血液を日本赤十字社から譲り受け、赤血球を抽出してウイルスなどの感染源を取り除き、安全性が高く、長期間備蓄できる製剤を作り出すことに成功したといいます。
- この人工赤血球製剤は血液型に関係なく使え、常温で2年、冷蔵ではおよそ6年保存できるといい、通常の輸血が難しい場面で威力を発揮しそうです。来年以降、県立医大附属病院で健康な成人に対する臨床試験を行い、有効性を検証する段階へと進む予定です。
- 県立医大附属病院 吉川公彦 病院長
- 「2030年ごろを目指した承認申請というところまでぜひ持っていきたい。これは、奈良医大全体でぜひ実現したいと思っております。」
- 医療システム全体に大きな変革をもたらす可能性のある人工赤血球製剤。実用化への期待が高まります。