奈良学園中学校でいじめ事案 県の「再調査委員会」が報告書を公表
2024.08.05 18:39
- 奈良学園中学校に通っていた女子生徒がいじめを受け転校を余儀なくされた問題で、県が初めて設置した「再調査委員会」の報告書が5日、公表されました。
- この問題は2018年夏、奈良学園中学校に通っていた当時1年生の女子生徒が部活動でほかの生徒から「死ね」といった暴言や女子生徒が拾ったボールを「汚い」と言って拾わないなどのいじめを受け、心身の不調から県外の学校への転校を余儀なくされたものです。学校は2020年、第三者委員会を設置しいじめの調査報告書をまとめていますが、女子生徒は県に対しより詳しく調べるための「再調査委員会」の設置を求めていました。
- 県は5日、再調査委員会がまとめた結果を公表し、学校の第三者委員会が暴言など6つの事象をいじめに該当すると評価したことについては、同様の評価・判定であるとしました。そして今回のいじめ事案が重大事態になった原因として、女子生徒の表情が暗いことなどに複数の教職員が気付いていたにも関わらず早期に介入できなかったことや、学校組織内での連携が不十分であったとしています。そして再発防止に向けた提言として、管理職を含めて学校全体で初動対応を行うことや被害者保護を最優先とし、スクールカウンセラーと連携したケアを行うことなどをあげました。
- これを受けて県は再発防止に向けて学校法人に対していじめ防止対策などについての報告書の提出を求めるほか、再調査委員会がまとめた提言を県の「いじめ防止基本方針」に反映するとしています。一方いじめの被害を受け現在18歳になった元生徒が会見で今の思いを語りました。
- いじめを受けた元生徒(18)
- 「学校には一つひとつの対応で傷つくんだということを認識してもらいたいと思います。『学校に行きたい』という気持ちを汲み取って行動してほしかったなと、それが本当にずっとずっと強く思っていることです。」
- なお奈良学園は奈良テレビの取材に対し「真摯に受け止めて再発防止に向けて取り組みたい」とコメントしています。