県保険医協会が警鐘 「マイナ保険証」 導入の医療機関7割で不具合
2023.06.14 18:45
- マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」をめぐり、読みとりができなかったなどの不具合がシステムを導入している医療機関の7割で確認されていることが、県保険医協会の調査で分かりました。
- この調査は各地で相次ぐマイナンバーカードの問題を受けて、県保険医協会が行ったものです。県保険医協会は加入する県内802件の医療機関に対し、無記名のアンケート調査を行い、このうち157件から回答が得られたということです。それによりますと、マイナンバーカードを保険証として使う際、オンラインで保険資格を確認できるシステムを導入している医療機関132件のうち、なんらかのトラブルがあったと回答したのは95件で、約7割にのぼるということです。トラブルの内容は「該当資格なし」と表示されるなど、「保険者情報が正しく反映されていなかった」が60件、「カードリーダーやパソコンの不具合で読みとりできなかった」が51件でした。また、「他人の情報に紐づけられていた」という回答は2件あったということです。政府は来年秋に現行の保険証を廃止する予定ですが、県保険医協会では保険資格が確認できない場合、医療機関の事務負担が増えるほか、患者の受診の権利が阻害されるとして危機感を募らせています。
- 奈良県保険医協会・青山 哲也理事長
- 「マイナンバーカードのシステム自体の信頼性が非常に崩れている。今回いろんなところでそれが露呈していると思います。うまく読み込めないとか、トラブルが依然起こりうる可能性が十分あると思う。多くの国民の方にこの現実を知っていただいて、保険証の廃止の危険性を知っていただければと強く感じています」