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奈良のニュース
視覚障害者らが意見交わす 踏切事故から1年余り 安全な踏切とは
2023.05.22 18:50

 大和郡山市内の踏切で目の不自由な女性が列車と接触して死亡した事故から1年余りです。21日、県内では視覚障害者などが安全な踏切や道路について意見を交わしました。


 2022年4月、近鉄郡山駅近くの踏切で目の不自由な女性が踏切内で特急列車と接触し、亡くなる事故がありました。この事故を受けて、奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳壽啓会長らは、安全な踏切を求めて県や鉄道会社などに要望を続けてきました。辰巳会長らは、遮断機の手前に点字ブロックを設置し、視覚障害者が白杖や足で触れることで踏切の存在を知ることや、踏切内にも点字ブロックを設置し安全に渡れるよう要望。国土交通省は去年6月、踏切に点字ブロックを設置するよう道路のバリアフリーに関するガイドラインを改定しました。


 事故を受けて大和郡山市は県内で初めて踏切内に点字ブロックを設置。また国土交通省は今年2月にJR香芝駅と近鉄下田駅近くの踏切に、そして5月19日には橿原市が近鉄八木西口駅近くの踏切に点字ブロックを設置し、県内で踏切内に点字ブロックがあるのは、この一年間で4カ所となりました。辰巳会長はこうした流れを評価するとともに、次の課題について話します。

県視覚障害者福祉協会 辰巳壽啓会長

「すごく早いと思います。我々の運動や要望がかなり実っているなと感じています。国のガイドラインで踏切内の誘導路の形がはっきりまだ法律上決まっていないので、それを早く国側に決めてもらえると誘導路の敷設が進むのではないかと思います。」


 国土交通省によりますと、事故があった去年4月以降、全国で新たに13カ所、踏切内に点字ブロックが設置されていて、奈良県は大阪府に次いで2番目に多くなっているといいます。21日、橿原市内で開かれた全国視覚障害者福祉大会。このなかで目の不自由な当事者や国交省の職員らが、踏切と横断歩道の安全について意見を交わしました。当事者にとって踏切を渡る際には様々な危険があると話します。


県視覚障害者福祉協会 小山恵美さん

「私も(事故のあった踏切を)通ったことはあって、砂利の線路の方に下りないといけない状況に陥ったこともあります。線路に入るときはいつも白杖はつきません。(線路に)はまって抜けなくなった時もありました。焦ってしまうので、なるべく(白杖を)上に引き上げて歩くようにしています。」

 また、強度の弱視で盲導犬を使って生活しているという辰己貴之さんは、安全な踏切は目の不自由な人だけでなく社会全体に必要であると訴えました。

 

県視覚障害者福祉協会 辰己貴之さん

「目の見える方であればちょっと危険な線路でも渡ることができると思いますが、視覚に障害がある者に関しては時間を短縮しようと渡ろうとしてもできない。(踏切に)幅があれば車いすの方も通りやすいでしょうし、ベビーカーとか重たい荷物を持って移動される方も通りやすくなると思いますので、視覚に障害のある方にとって渡りやすい線路は他のいろんな方にとっても優しい踏切になる。是非しっかりと踏切の状況を整えてもらいたいと思うところです。」

 シンポジウムは約2時間で終わり、全国から訪れた視覚障害者や関係者などは踏切や道路を安心して横断できる社会の実現に向けて、思いを共有しました。