奈良市の新火葬場訴訟で和解 市長・元地権者が各3000万円支払い
2023.05.31 18:36
- 奈良市の新しい火葬場の用地取得をめぐり、市が仲川市長と元地権者におよそ1億1600万円あまりの損害賠償を求めている裁判で、市長と元地権者が3000万円ずつを支払うことで和解が成立しました。

- 奈良市の火葬場をめぐっては、市が、建設するための土地を鑑定評価額の3倍以上の価格で購入したとして住民訴訟が起こされ、仲川市長と元地権者にあわせて約1億1600万円の支払いを求めることを奈良市に命じる判決が確定していました。
- 市は、市長らに損害賠償を求め奈良地裁に提訴していましたが、奈良地裁は「市に損害はあったものの、用地の早期取得により損害額以上の財政負担を回避できた。」などとして、和解案を示し、仲川市長と元地権者の賠償額はそれぞれ3000万円ずつが相当であるとしました。
- そして5月、奈良市議会でこの和解案について審議が行われ議長裁決の結果、可決されていました。
- 和解によって、奈良市は当初の賠償請求額と利息から6000万円を差し引いたおよそ8600万円を回収を求めず債権放棄することになります。
- 奈良市は「ひとつの区切りを迎えることができ、関係者に深く感謝申し上げます。」とコメントしています。
- 一方、訴訟を起こしたグループは「住民訴訟制度の意義が失われる。」として債権放棄した金額の損害賠償を求め市に対し、監査請求を行うとしています。