きょうから6月 中宮寺・聖徳太子二歳像も衣替え
2023.06.01 18:43
- きょう6月1日は、一般に夏服への衣替えを行う日とされています。斑鳩町にある中宮寺では、聖徳太子二歳像の衣替えが行われました。

- 中宮寺は、聖徳太子とその母・穴穂部間人皇后ゆかりの寺として知られています。寺では、毎年6月と10月に太子像の衣替えを行っていて、1日新しく着せられたのは被衣と呼ばれる頭からかぶる着物で、寺に伝わる国宝・天寿国繡帳に用いられた技法の一部を再現したものです。

- 日本最古の刺繡・天寿国繡帳は聖徳太子が亡くなったあと、妃の橘大郎女が女官につくらせたとされています。今回奉納された着物は、天寿国繡帳の下地である羅(ら)と呼ばれる絹の衣を復元し、そこに太子が往生した天寿国の様子を表した文様を針目の数まで原作に合わせて再現しています。法要が営まれたあと、日野西光尊門跡によって寺に伝わる衣から奉納された着物へと衣替えが行われました。

- 20年の研究を経て、約半年かけて刺繡が施されたという着物。制作者の一人で刺繡師の長艸敏明さんは「天寿国は刺繡の原点。制作から約1400年の年に再現し、奉納できたことはご縁だと思う。」と話しました。奉納された「天寿国文様刺繡被衣」は9月30日まで中宮寺本堂で公開されます。