奈良市いじめ問題 市が調査報告書を公表「児童や保護者に精神的苦痛を与えた」
2023.12.19 18:40
- 奈良市の小学校で女子児童がいじめを受け自殺をほのめかしたノートに担任が花丸をつけて返していた問題で市の教育委員会は19日、児童や保護者に精神的苦痛を与えたとの調査報告書を公表しました。
- 報告書では2021年の2学期から2022年12月までの間、同級生に足を蹴られたり、突き飛ばされたりするなどのいじめ行為が12件あったと認定しました。その上で学校側は組織的に対応すべきで初期対応が十分でなかったとしました。また、2022年6月には女子児童がノートに「私は死ねばいいのに」などと自殺をほのめかす内容を書いたことに対して、担任は花丸をつけた上、「You can do it!」=「あなたならできる」と書いて返却していました。報告書では、担任が花丸を記したことなどについては、「配慮に欠ける不適切な対応だった」としています。女子児童は適応障害などを発症しているといい、学校生活にも影響があるということです。
- 奈良市教育委員会 久保田浩司 課長
- 「やはりいじめられた児童やその保護者に徹底的に寄り添うという姿勢が欠けていたことから、被害児童やその保護者に精神的苦痛を与える結果となったということについては重くうけとめているところです。」
- 女子児童の保護者は「長期間にわたっていじめの存在が認められなかったことによってつらい思いをしてきましたが調査報告書が取りまとめられ一定の区切りを迎えた。被害児童に寄り添うという意識をもって対応にあたって欲しい」とコメントしました。