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奈良のニュース
新型コロナきょうから5類に 医療機関や観光地 生活はどう変わる…?
2023.05.08 18:53

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが8日から5類に移行しました。これにより生活はどのように変わるのか、県内の医療と観光業を取材しました。


 新型コロナはこれまで感染症法上の5段階の位置付けとは別の「新型インフルエンザ等感染症」に分類されていましたが、5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行されました。これにより、検査や入院費などには自己負担が発生するほか、流行状況の把握が指定医療機関での「定点把握」に切り替わることから、日々の感染者数などの公表が週1回になります。そして、現在発熱外来で行っている診療や検査は、地域の診療所など幅広い医療機関が対応し、入院が必要になった場合は原則、医療機関が入院先を探すことになります。5類移行を受けて、地域の診療所はどのように捉えているのか…。奈良市にある小児科とアレルギー科が専門のクリニックです。発熱などの症状がある患者にはインフルエンザなどと同じように新型コロナの検査を行います。

 

なんぶ小児科アレルギー科 南部光彦 院長

「うちとしてはあまり大きな違いはないです。熱がある子を診ていくなかで、コロナの患者も検査は必要に応じてしていく。診ていくしかないと思います。」

 このクリニックでは感染症の患者とアレルギーなどの患者が接しないように、時間を分けて診察しています。しかし、医院のあるビルの同じフロアには複数のクリニックが集まっていて、待合室も共同であることから、南部医師は新型コロナの小児患者を診ることには課題もあると話します。

なんぶ小児科アレルギー科 南部光彦 院長

 「このクリニックだけの患者さんを時間的に区分けするのはできたとしても、他の(クリニックの)患者さんのことを考えるとやっぱりなかなか難しい。コロナウイルスを持った子どもがこういう医療モールの中で、高齢者や基礎疾患のある患者さんにうつらないうつさないようにしていきたいので、そのあたりをうまくどうやっていくかが課題。」

 県は5類移行後、発熱患者などの外来診療に対応する医療機関の数を、これまでの472から約700へ拡大を目指すとしていますが、この数字はインフルエンザワクチンの接種を行っている病院数を参考にしていて、実際にどの程度拡大するか注目が集まります。奈良県医師会の安東範明会長は、感染対策の継続と受診の際の注意事項を呼びかけます。

 

奈良県医師会 安東範明 会長

「(新型コロナが)5類になってもウイルスが無くなる訳でもありませんし、コロナウイルスの性格が変わる訳でもありません。風邪症状とか発熱のときにいきなり診療所を受診するのは控えてほしい。かかろうとする診療所にまずは電話をかけて、どうやって受診したら良いですかと聞くことをこれからも続けてほしい。」

 また、行政に対しては入院調整の支援の継続を訴えます。

奈良県医師会 安東範明 会長

 「万が一診療所やクリニックが電話をかけて入院をお願いしても、どこも(入院先が)ないという事態になったら困ると少し懸念しています。移行期間が終わった後も何が何でも(入院調整の)システムを県としてしっかり作るようにお願いしたい。」

 一方で、ゴールデンウイーク期間中も大勢の観光客で賑わいを見せていた奈良市内。観光業からは5類移行に期待の声が寄せられています。奈良市内のホテルでは…。

 

ホテル日航奈良 総支配人 小野丘さん

「お客様の動きも非常に好調に戻りつつありますので、本当にこのタイミングで5類に移行することはホテル業界としては歓迎しております。」

 感染対策として設置していたフロントや宴会場などのアクリル板は撤去しましたが、スタッフのマスクの着用はホテルの利用者に合わせて、継続することを決めたといいます。

ホテル日航奈良 総支配人 小野丘さん

「比較的に年齢層の高いお客様が多いので、5類になったとしても当分の間はマスクを着用してご来館されることが想定されますので、私どももやはりマスクを着用してお迎えするというような対応をとる。」

 3年以上にわたって行われてきた新型コロナの対策は8日、大きな区切りを迎えました。社会経済活動の正常化が期待される一方で、感染対策については個人の自主的な取り組みをベースにしたものへと変わり、これまで以上に一人一人の感染対策の重要性が増しています。