「実弾盗んだ」と疑われた署員 県との和解打ち切り 8月に判決へ
2023.06.13 18:29
- 奈良西警察署で保管する拳銃の実弾を盗んだ疑いをかけられ、不当な取り調べを受け、うつ病を発症したとして男性署員が県に約820万円の賠償を求めた裁判で、和解協議が打ち切られました。判決は8月に言い渡されます。
- 県警は2022年1月、奈良西警察署で保管する拳銃の実弾5発を紛失したと発表し、20代の男性署員を窃盗の疑いで捜査していました。しかしその後、実際には紛失しておらず、男性は無実だったことが分かりました。男性署員は連日長時間に及ぶ取り調べで「お前しかおらへん」などと自白を強要されたことでうつ病を発症し、休職を余儀なくされたとして、去年8月、県に対し約820万円の賠償を求めて奈良地裁に提訴しました。
- 県は去年11月、早期解決を求める和解書を提出していましたが、原告はこれに応じませんでした。13日、奈良地裁では口頭弁論が開かれたあと、原告側がことし4月に示した和解案についての協議が行われました。和解案では再発防止のため第三者機関の調査を行うことや、解決金約715万円を支払うことなどを盛りこんでいましたが、県側はこれに応じず、和解は打ち切りとなりました。裁判はきょう結審し、判決は8月31日に言い渡されます。報道陣の取材に応じた原告の代理人は…
- 松田真紀弁護士
- 「警察が警察官を取り調べるときの注意事項。なんの手当てもせず任意だと言い張って違法な捜査をした。判決においてはそこの違法性についてしっかり踏み込んだ判断をいただければと思います。」
- 一方、県警監察課は「次に判決を控えているので詳細のコメントは控えますが、これまでと同様に原告に対して、誠実かつ丁寧に対応していきます」とコメントしています。