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奈良豆比古神社 国重要無形民俗文化財「翁舞」を奉納
2024.10.16 18:47
奈良市奈良阪町にある奈良豆比古神社で国の重要無形民俗文化財に登録されている「翁舞」が奉納され、国の平和や五穀豊穣などを祈りました。
秋祭の宵宮にあたる毎年10月8日の夜に奈良豆比古神社の拝殿で奉納される「翁舞」。奈良時代に春日王の病気平癒を祈って舞われたのが始まりと言われます。
神社の氏子らでつくる「翁舞保存会」ではことし4月から練習を始め、9月23日からの1週間は仕事が終わった夜の時間を使って、毎日練習会を開きました。
今年老人役の翁、青年役の三番叟を務める4人は全員が経験者。しかし、翁はゆったりと三番叟は若々しく舞うなど役ごとの動きが難しく、保存会のメンバーからは様々なアドバイスが飛び交います。保存会の豊田義一会長も指導に加わります。舞い方は人から人へと口伝えで受け継がれてきました。翁舞に関わる人たちは古くは40世帯ほどあったといいますが現在はその半分になり、翁舞を未来につなぐ方法が課題となっています。
奈良豆比古神社 翁舞保存会 豊田義一会長
「保存会だけで維持するということはなかなか難しいと思う。氏子の人、あるいは周辺の関心のある人に入ってもらう。自分の氏神さんやと、我々の守り神やという気持ちを常に持ってもらってですね、その中の一環として、この翁舞があると。ともに神に奉納しようやないかという気持ちを持ってもらいたい。」
かがり火がたかれ幻想的な雰囲気に包まれる中、「翁舞」が奉納されました。奈良豆比古神社の「翁舞」は能楽の古い形式を残すことが特徴とされています。
通常は翁は1人ですが、ここでは太夫と脇も翁の面をつけ、3人の翁が舞を披露します。そしてめでたい言葉として「まんざいらく」と唱えられました。
そして三番叟が床を踏み鳴らすなどして若々しく滑稽味のある舞を披露した後、奈良豆比古神社の翁舞のもう一つの特徴ともいえる少年役の千歳と三番叟の問答が始まりました。
2人は交互に体の向きを変え、向かい合うことなく言葉を交わします。これは神に語る姿を表すとされています。そして最後に三番叟が手に鈴を持って舞い、奉納が終わりました。
訪れた人はー
「ずっと見たいと思っていたんですけど、なかなか来る機会がなくて、やっと今日見ることができました。素晴らしいなと思いました。」
「小さなお子さんからある程度年配のベテランの方までが一丸となって練習された、その成果を今日見させていただくことができてとても良かったと思います。」
「もっと聞き取りづらいだろうなと思っていたんですが、音であればわかるなっていうところがあったので、自分も関わっている内容なのかなって思いをはせながら聞いております。」
奈良豆比古神社 翁舞保存会 豊田義一会長
「幽玄さといいますか、そういう雰囲気が醸し出されている、やはりこれは芸術やなと。しかも奉納という神事の中の一環やなと思います。改めて良かったなと、またこれからも続けていきたいなと思っております。」
神事というかたちで能楽の昔の姿を今に残す「翁舞」。その背景には時代が変わる中でも神への奉納を続けてきた保存会の人たちなどの努力があるのです。
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