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佐紀古墳群の航空レーザ測量 一部古墳で「造り出し」に共通点 連続性示すか
2023.08.21 18:20
奈良市にある佐紀古墳群の航空レーザ測量で、古墳のより正確な位置や構造が明らかになり、古墳群の東部と西部の一部の古墳で共通点が見られることが分かったと研究グループが明らかにしました。
奈良市にある佐紀古墳群は4世紀半ばから5世紀後半にかけて全長200mを超える大型の前方後円墳などが築かれ、当時の大王や有力者の墓と考えられる古墳も多く含まれています。この研究はクラウドファンディングで資金を募り、奈良市教育委員会の村瀬陸さんと奈良文化財研究所の柴原聡一郎さんが去年7月からことし5月にかけて個人で行ったものです。
古墳の多くは宮内庁が管理し立ち入りが禁止されているため、研究では航空レーザ測量で佐紀古墳群全体の測量図を作成し、古墳の正確な位置情報や墳丘の構造を明らかにしました。
村瀬陸さん
「4世紀というのは考古学でしかなかなか明らかにできないところです。この大型前方後円墳の形状が詳細に分かったことで、これを起点として各地の前方後円墳が造られていったという話もより明瞭化できると思う。そういったところを積み上げることで、4世紀がどういう時代かを解明できると思うので、それに向けた出発点みたいなところで今回の成果は位置付けたいと思います。」
また今回の測量で古墳群の西部にあり成務天皇陵とされている佐紀石塚山古墳と東部の陵墓参考地・コナベ古墳を比較した際、墳丘にとりつく「造り出し」の部分に段がある共通点が確認できたといいます。
佐紀古墳群は西部と東部でつくられた時代が異なり連続性が不明確でしたが、村瀬さんらは「造り出し」の特殊な形が共通していることから、古墳の連続性を示す根拠の一つになるのではと注目しています。
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